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人生は巡り会い、人の中で育っていくもの(後編)


取材日に見せて頂いた、くすのき会の会報第一号の原本です。

聞き手: 第1回のときは、何歳くらいの頃だったんですか? 加藤: 第1回は、55歳くらいのときでした。若い頃は、露骨に仕事につなげようと先輩についていくような人もいるけど、 自分はそれが嫌いで、同窓会には出ない方でした。 先輩をつかまえて「先輩ー」と電話をかけてきて、仕事にしようとする人もいるでしょ。それはそれでもいいと思うけど、私自身はあまり好きじゃなかったのでね。 聞き手: 私もそれはやりたくないなと思いながらも、やはりそういう気持ちも持ちながら参加しています(笑) 加藤: 言わずかたのうちにね。どうしてもビジネスマンだと、そういうことをして輪を広げようというのが先に立ってしまう。本来は、同窓生の仲間内でじっくりとね、親交を深めるというのが基本ですよ。 ただ、同窓会の運営しにくいところは、みなさん中心となる人物が活躍していますからね。 いい感じで回り始めたなと思ったら、転勤するんですよ(笑) 中には、関西に転勤になったのでといって、入会してくれる人もおられるけど、やはり減る数の方が多いですね。


笑顔で取材を受けて頂いた加藤さん

聞き手: 同窓会発足の経緯や今までの道のりを聞いて、継続は力なり ということがよく分かりました。 どうもありがとうございます。 最後に、若い後輩へのメッセージをお願いいたします。 加藤: 人生は巡り会いで、人の中で育っていくものだと思っています。だから、人の付き合いは広げたらいいんですよ。 なによりも、同窓とか同郷とかいうものは、一つのご縁ですから。ご縁がそこにあったら、大事にしないといかんと思います。長い意味でね。 短い目で見ていたら、こんなところに出てきて何の役に立つのかという話になるんだけども、そうではないですよ。 みんな節穴じゃないですからね、あいつは優秀やとかあいつは出来るなとか、やっぱりみんな見ています。 そういうのは、直接言わなくてもみんなに伝わっていくものです。大事やと思うよ。 聞き手: ご縁のお話は、私も30代になって少しわかるようになってきました。 加藤: 村上さん(昭和41年卒/大和ハウス工業 元社長)や藤田さん(昭和40年卒/きんでん 社長)のように、同窓生から出世した人がいると、自分のことみたいに嬉しいんだよね。 検事をされていた玉井さん(昭和44年卒)は亡くなってしまったんやけども、みんな自分のことのように思ってくれるし、そんな世界は他にはないんですよ。 そしてだんだんと歳を取れば取るほど、人のつながりは作りにくくなるからね。 やっぱりね、先輩でも同僚でも見てくれてるんですよ。私たちくらいの歳になると、健康状態もみんなお互いに気遣いますしね。 あと、お互いに異業種ですから。会社内だったら、同じ自分の生活のテリトリーの中のことしか、話題にならないでしょ。 その中で、先輩と後輩という同窓の中だと話がしやすいわけだから、さらに色々と自分の知識が広がっていくわけです。 聞き手: たしかに世代は離れているのですが、同窓ということで何回か参加をしていくと、少しずつですが色々な話を聞いたりしたりができるようになってきました。 食事をしたりお酒を飲んだりしながら交流するというのは、とても刺激になりますね。 加藤: そうでしょ。そういう時間は本当に大切です。 では、そろそろいい時間なので、みんなで食事でも行きましょうか(笑)